【3/18配信】各地の異常について詳しく解説

本日、一度各地の地震リスクについておさらいしておこうと思います。

まずは北海道地方についてですが、十勝沖エリアでの静穏化異常については青森県東方沖で起きたM6.5の地震の影響で解消傾向にあるようではありますが、まだ完全に解消されきっていないことから、今後もう一つ対応地震が発生する可能性を危惧しております。
そのため、北海道南部のエリアは要警戒状態が続いていることをご理解ください。

また、先日カムチャッカ半島沖でM6.9の地震が発生しておりますが、過去の巨大地震時の活動推移から千島海溝沿いに地震の影響が及ぶ可能性が示唆されていますので、念のために注意しておくといいかと思います。

続いて東北地方については、活発な地殻変動などもほとんど収束しており、特に異常はないとも言えますが東北地方太平洋沖地震に伴う沿岸部の隆起は依然続いており、また福島県沖地震(M7.3)による影響もまだ今後しばらく継続すると考えられることから、少し警戒レベルは高めに評価しております。

その他の地域に関しても、特別大きな変動なども見当たらず、あくまでデータ上では地殻活動は落ち着いているように感じられます。

ただ、関東南部から静岡県東部までのエリア、および大阪府周辺のエリアでは静穏化異常に伴う対応地震の可能性が考えられるため、要警戒状態が続いております。

なお、大阪府周辺の静穏化異常については和歌山県北部での地震活動によって解消に向かいつつありますので、和歌山県北部での一連の地震活動が対応地震である可能性も考えております。

地磁気異常

観測されたすべての地磁気異常をもし地殻活動によるものだと仮定した場合に、推定される影響範囲、つまり震源となり得る領域を地図に簡単に円で囲んで表示します。
本当に地殻活動が要因であるのかどうかは、その他の地殻変動などの観測データと照らし合わせて可能性の有無を判断する必要がありますが、それらもすべて考慮したリスク評価を予測地図では行っておりますので、ご安心ください。

短期地震予測地図

(2020年07月から現在まで)
地震観測数(M4.0以上):216回
対応地震(M4.0以上):173回
的中率:80.0%
※「福島県沖の余震活動」も計算に入れると的中率が不当に高くなってしまいますので統計に含まず計算しております。

北海道地方

■十勝沖エリアでの静穏化異常については青森県東方沖で起きたM6.5の地震の影響で解消傾向にあるようではありますが、まだ完全に解消されきっていないことから、今後もう一つ対応地震が発生する可能性を危惧しております。

■東川で北東方向への顕著な水平変動が見られていましたが、まったく逆方向へと動きが変化しております。
これにより富良野断層帯に歪みが蓄積される可能性がありますので注意が必要です。

東北地方

活発な地殻変動などもほとんど収束しており、特に異常はないとも言えますが東北地方太平洋沖地震に伴う沿岸部の隆起は依然続いており、また福島県沖地震(M7.3)による影響もまだ今後しばらく継続すると考えられることから、少し警戒レベルは高めに評価しております。

中部・関東地方

■静岡県東部→静穏化異常
静穏化の異常は収束傾向にあり、いつ発震してもおかしくはない状態と言えます。

■神奈川県周辺→静穏化異常
静穏化の異常は完全に収束しており、今後、大きな地震の発生リスクは高いと評価しております。

近畿・中国・四国地方

■和歌山県北部の一連の地震活動に伴い、大阪府周辺の静穏化異常が解消傾向に向かっております。
少なくとも4月までの推移を観察してリスク評価を見直したいと思います。

■和歌山県北部の地震活動が活発化しています。
15日に震度5弱を観測する地震が発生しましたが、今後さらに強い揺れを伴う地震が発生する可能性がありますので注意してください。

九州地方

地磁気異常は収束しておりますが、念のため数日間は要注意とします。

沖縄地方

地磁気異常が2日連続で観測されていますが、地震との関連性は不明です。。

TEC異常による短期地震予測

(2019年12月から現在まで)
異常値を観測した数 :133回
10日以内の対応地震 :113回
異常値を観測せずに発生したM5.0以上の地震:13回
的中率:75.1%

異常値(平均値±2σ以上)の観測後10日以内に対応地震が起こる可能性について統計を取っております。
具体的には震源の深さなども考慮しますが、標準偏差が大きいほど対応地震の規模も大きくなるとし、予測される規模を以下に記載します。
(最後に観測された異常値)
日付異常の有無対応地震
09日
10日
11日
12日
13日
14日M4.5~和歌山県北部M4.6
15日
16日
17日
18日M4.0~要注意

地震リスクの長期評価

「10年以内」に大地震が発生する可能性が高いエリア

過去10年間の地殻変動データの推移から発震リスクを評価しております。

「5年以内」に大地震が発生する可能性が高いエリア

過去5年間の地殻変動データの推移から発震リスクを評価しております。

「1年以内」に大地震が発生する可能性が高いエリア

過去1年間の地殻変動データの推移から発震リスクを評価しております。
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